冒頭でもお伝えした通り、脱毛後のヒゲ剃りは、施術当日は避けるのが望ましいです。
レーザーや光脱毛による施術を受けた直後の肌は、一時的な熱による炎症を受けて、とてもデリケートな状態にあり、刺激に弱くなっているからです。
脱毛で使用されるレーザーや光は、毛に含まれるメラニン色素に反応して熱が生じます。
熱で毛根にダメージを与えることで脱毛効果を発揮しますが、その熱刺激は毛根やその周辺だけでなく、肌の表面にも及びます。
また、肌にはアレルゲンや細菌などの外的刺激から守るバリア機能がありますが、脱毛による刺激で一時的にその機能が低下します。
乾燥などの影響でターンオーバー(新しい皮膚が生まれ、古い皮膚が剥がれ落ちる新陳代謝のサイクル)も遅れると、少しの刺激で重症化する可能性もあります。
そこにヒゲ剃りという物理的な刺激を与えると、肌トラブルや炎症の悪化を招く可能性があるため、脱毛当日はヒゲ剃りを極力避けましょう。
| \炎症を抑える軟膏を塗っていても、脱毛当日のヒゲ剃りは控えて!/ |
|---|
| 脱毛施術のあとのアフターケアで、軟膏を塗って炎症を抑えるケースが一般的です。 そのため、赤みが緩和されたように見えることがあるかもしれませんが、それは軟膏の作用によるもので、照射によるダメージが治まったわけではありません。 一時的な作用であるため、赤みや腫れが引いたと感じても、脱毛当日のヒゲ剃りは極力控えましょう。 |
「良くないのはわかるけど、見た目も気になるし、少しくらいなら大丈夫でしょ」と感じる方もいるかもしれません。
ですが、先述の通り、脱毛後の肌は刺激に対して非常に敏感になっています。その状態でヒゲ剃りをすると、次のような肌トラブルが発生するリスクが急激に高まります。
詳しく見ていきましょう。
水分が蒸発すると、肌表面が乾燥しやすく、その肌にカミソリやシェーバーの刃が触れると、毛と一緒に角質層の一部を削り取られやすくなります。
シェービングで角質層が傷つくと、肌の乾燥を助長し、つっぱり感や粉吹き(フケのようなもの)が生じやすくなります。
肌の乾燥が悪化すると、かゆみや細かいひび割れにつながり、ダメージを増悪することにもなりかねないため、脱毛後すぐのヒゲ剃りは、極力避けたほうが良いでしょう。
| リスク | 詳細 |
|---|---|
| 熱傷の悪化 | 脱毛時の熱による腫れ・赤み・ヒリヒリ感が悪化する |
| 毛嚢炎(もうのうえん) | 毛穴のバリア機能が低下し、細菌が侵入して炎症を起こす 小さな膿が溜まり、ニキビのように毛穴が盛り上がる |
| ニキビ | 皮脂の過剰分泌や毛穴の詰まりが原因でニキビができる |
脱毛後のヒゲ剃りは、肌の炎症を増悪させ、色素沈着(黒ずみ)の原因になる可能性もあるため、注意が必要です。
炎症によるダメージを受けた肌は、強い刺激から守ろうとする自己防衛機能によりメラニン色素を過剰に生成しやすくなります。
メラニン色素が過剰に生成されることで、色素沈着が起こりやすくなります。
色素沈着が起きると、下記2つのデメリットにつながりやすくなります。
・黒ずみでヒゲがより濃く見えてしまいやすい
炎症状態が長引き、色素沈着すると、その部分だけが見た目ではっきりとわかる薄黒いシミや黒ずみなどが残ってしまうことがあります。・脱毛効果や施術ペースにも影響を与える可能性が高い
色素沈着や黒ずみがあっても施術可能なケースもあります。 ただし、脱毛のレーザーや光がメラニンに反応するため、火傷のリスクから出力を下げたり、施術を見送ったりするケースもあり、効果や施術に影響を与える可能性が高いです。
脱毛後の肌は、熱ダメージで乾燥しやすい状態にあり、一時的にごわついている状態です。
その肌状態でヒゲ剃りを行うと、傷ついた肌を修復しようとして角質層が厚くなり、毛穴の出口を塞いでしまい、埋没毛になりやすいのです。
埋没毛が発生すると、見た目の問題だけでなく、次のような脱毛効果への悪影響が生じます。
| 影響 | 具体的な例 |
|---|---|
| 照射効率の低下 | ・毛が皮膚の中に埋まっていると、脱毛のレーザーや光が毛根に正しく届きにくくなり、十分な施術効果が得られない可能性がある |
| 施術の中止・延期 | ・埋没毛が原因で周囲に炎症(しこりや赤み)が起きている場合、その部位への照射を避ける必要がある ・「脱毛のムラ」や「完了までの長期化」を招く可能性がある |
脱毛後のヒゲ剃りは極力避けたほうが良いとお伝えしてきましたが、脱毛の効果には個人差があり、ところどころヒゲが生えてしまうこともありますよね。
脱毛後にどうしてもヒゲ剃りをする必要がある場合、肌ダメージが落ち着いてくる2~3日後がひとつの目安です。
個人差はありますが、脱毛後2~3日ほどで、照射による肌のほてりや赤みなどの炎症反応が落ち着いてくるケースが多いです。
ただし、ヒゲ剃りをしてよいかどうかは「期間」ではなく、「実際の肌状態」で判断するようにしてください。異常がある場合は、症状が治まるまでシェービングは控えることが望ましいです。
肌状態を判断する目安は、以下の通りです。
| ヒゲ剃りNG!まだ避けるべき肌状態 | ヒゲ剃りOKの判断目安 |
|---|---|
| ・ブツブツがある ・はっきりとした赤みが残っている ・かゆみや腫れがある | ・赤みが引き、周囲と同じ肌の色になっている ・ブツブツや肌荒れが引いている ・かゆみやヒリつきがない |
「デートでところどころ生えているヒゲを処理したい」
「大事な商談があり、ビジネスマナー的にヒゲを剃る必要がある」
このように、脱毛直後のヒゲ剃りは避けたほうが良いとわかっていても、剃らざるを得ないシーンは少なくありません。
どうしても早くヒゲ剃りをする必要があるなど、緊急性が高いときは、「電気シェーバー」を使用しましょう。
電気シェーバーは、剃毛時に刃先が肌へ直接触れない構造のため、肌を傷つけるリスクが低く、ダメージを最小限に抑えられるからです。
| ヒゲ剃りの方法 | 電気シェーバー | カミソリ |
|---|---|---|
| 肌へのダメージ | 低 | 高 |
| 刃先の接触 | なし (肌に直接触れない設計) | あり |
| シェービングクリーム | 不要 (肌が乾いた状態で使用可能) | 必要 |
| \肌の負担を抑えるために電気シェーバーを用意しよう!/ |
|---|
| 脱毛後は、電気シェーバーを使ったヒゲ剃りを推奨していますが、中には「電気シェーバーを持っていない」という人もいるでしょう。 「少しくらいならカミソリでもいいか」と思うかもしれませんが、脱毛後の肌にカミソリを使うのは、大きな負担になります。 ネットや近くの薬局などでも、安くて性能が良い電気シェーバーが販売されているので、持っていない場合は、自分に合った電気シェーバーを用意しましょう。 脱毛クリニックなどでも販売しているケースがあるため、どの電気シェーバーが良いかわからないときは、施術先に確認・相談してみてください。 |
①洗顔で肌を清潔にし菌の侵入を防ぐ
②ヒゲを温めて柔らかくする
③電気シェーバーの正しい当て方と力加減で剃る
④冷却をして肌に残った炎症を鎮静化させる
⑤保湿で肌を保護し炎症・乾燥を防ぐ
【洗顔をする際のポイント】
・洗顔は、洗顔料をしっかりと泡立て、肌をこすらず優しく洗う ・タオルで顔を拭くときも、優しく押さえるようにして水分を拭きとる【蒸しタオルで肌を温める方法】
40度程度のお湯でタオルを濡らす(または水で濡らしたタオルを固く絞り、電子レンジで30秒~1分) ヒゲ全体を覆うように蒸しタオルを乗せる(約3~5分目安) ヒゲを剃る【電気シェーバーの当て方】
・強く押し当てない ・毛の生え方に沿って動かす
※一般的には、頬だったら上から下、あごラインは前から後です。
ですが生え方は人によって違うため、自分の毛の生え方に合わせて剃りましょう。
注意点
脱毛後は毛質が一時的に変化し、普段通り剃っていても剃り残しが出やすくなることがあります。 しかし、剃れないからといって逆剃りをしたり、何度も強く押し当てて剃ったりすると、肌を傷める可能性があるためお控えください。 肌に押し当てるように剃ると、肌がシェーバーの内部に引き込まれ、炎症箇所を刺激したり、肌表面の角質層をはがしたりすることにつながります。【ヒゲ剃り後の冷却方法】
・濡らして冷やしたタオル ・タオル等で包んだ保冷剤 ※冷たすぎるのもかえって肌にストレスがかかるため、氷や保冷剤を直接当てるのは避けてください。| 肌質に合った製品選びのポイント | 製品選びの際に注目したい成分 |
|---|---|
| 肌荒れしやすい人は低刺激の製品 | ・アルコール不使用 ・無香料 (微香料程度にとどめ、香料が強いものは避ける) |
| 肌が乾燥しやすい人は保湿成分を含む製品 | ・ワセリン ・ヘパリン類似物質 ・尿素製剤 ・ヒアルロン酸 ・コラーゲン ・セラミド ・アミノ酸 |
| 赤みや炎症反応がある人は抗炎症成分を含む製品 | ・アロエベラエキス ・グリチルリチン酸2K ・アラントイン ・アズレン ・パンテノール(プロビタミンB5) |
最後に、脱毛後のヒゲ剃りで守るべきことをお伝えします。
「つい深剃りしてしまった」
「脱毛のムラが気になって、毛を抜いた」
このような普段のちょっとした行為が、大きな肌トラブルや、最悪の場合の脱毛効果を損ねる原因になる可能性があります。
そうならないためにも、脱毛後におけるヒゲ剃りのルールを確認していきましょう。
| チェック | 脱毛後におけるヒゲ剃りで守るべきこと |
|---|---|
| □ | ・施術当日のヒゲ剃りは極力行わない |
| □ | ・脱毛後のヒゲ剃りで赤み・ヒリつき・肌荒れが出た場合は、すぐに中断する ・症状がある場合は、次回通院時に必ず相談する |
| □ | ・脱毛の施術期間中は毛抜きやワックス、除毛クリームは使用しない (毛根からの引き抜きがNGとされる理由は下部で解説) |
| □ | ・肌が荒れている状態でのシェービングや深剃り、逆剃りをしない |
| □ | ・電気シェーバーは、使用後に必ず手入れし、清潔な状態で乾燥させて保管する |
| \脱毛後に毛根から引き抜く行為がNGとされるのは、脱毛効果を下げるから!/ |
|---|
| 脱毛後、伸びてきた気になるヒゲが数本程度だったので、毛抜きなどで抜いてしまおうと思うかもしれませんが、脱毛の施術期間中に毛抜きを使用するのは絶対にやめてください。 毛抜きで抜くことで、毛穴に雑菌が入り込み、毛嚢炎などの肌トラブルを起こすリスクが高まるだけでなく、脱毛効果を下げる可能性があるからです。 レーザー脱毛や光脱毛は、毛が成長しているタイミング(成長期)の毛に効果を発揮します。 毛抜きで毛を抜いてしまうと、本来次回施術時に成長期に入るはずだった毛の生え変わりのタイミングがずれ、照射しても十分な効果が得られにくくなる場合があります。 脱毛効果を下げないためにも、脱毛後の処理において毛を抜かないようにしましょう。 |
①脱毛当日のヒゲ剃りは避けるのが安全
②脱毛後の炎症がみられるときにヒゲを剃ると、症状悪化や炎症の原因になる
③どうしてもヒゲを剃る場合は、脱毛後2~3日が目安
④脱毛後のヒゲ剃りは、原則として電気シェーバーを使用する
⑤脱毛後のヒゲ剃りは、剃る前の準備から剃った後のケアまで丁寧に行う
監修者:赤岩 優妃
リゼクリニック リード ドクター
■略歴
東京女子医科大学医学部医学科卒業後、名古屋市立大学病院附属西部医療センター勤務。JA愛知厚生連足助病院、名古屋市立大学病院勤務を経て、湘南美容クリニック(SBC)に入職。「湘南美容クリニック名古屋駅本院」に立ち上げ時から所属し、美容外科医として歴任。
2023年7月に「SBCグループ」傘下にリゼクリニックが参画後、その翌年8月1日より「湘南美容クリニック新宿本院」に所属異動、並びに「リゼクリニック」のリードドクターとして兼任、現在に至る。
■所属学会
日本美容外科学会会員・日本医師会認定産業医・ボトックスビスタ認定医・ジュビダームビスタ認定医・厚生労働省指定オンライン診療研修修了医・アメリカ心臓協会ACLSプロバイダー